【モルディブStory】第2話・一人旅① ~リゾート、初めての朝~

モルディブでの過ごし方、それは初めての人、2回以上訪れたことのある人、新婚旅行・夫婦・友人・子連れ家族・一人旅など回数や形態、また選ぶリゾートによって島の特徴・特色が異なる為、幾通りもあります。
そこで、スタッフの実体験や妄想を取り入れたダイアリー形式で、『架空の人物のある一日』をご紹介します。
モルディブ初めての方には具体的な過ごし方を空想していただき、2回目以降の方には「こんな過ごし方もできるんだぁ」という新たな発見の手助けになれば嬉しいです。

祐子・初めての海外ひとり旅

【登場人物】
★蒼井 祐子(50歳・看護師)
◎独身、一人暮らし
◎趣味:旅行、ヨガ、読書、ミュージカル観劇

【日程】7月上旬出発・4泊6日間
・スリランカ航空(成田発着)利用
・ミリヒ・アイランド・リゾート(水上ヴィラ3泊) *1泊目はマーレ泊

~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~

ずっと、一人旅に憧れていた。
きっかけは、大好きだった松田聖子だ。当時中学生ぐらいだった私は、姉がダビングしてくれたカセットテープをいつも聴いていた。アルバムの歌詞カードを姉から借りて、大学ノートに好きな曲の歌詞を書き写し、一緒に口ずさんだ。
聖子ちゃんが歌う主人公ヒロインは、よく一人旅をする。石だたみの道を歩き、ハンモックで絵葉書を書き、カフェで雨宿りをし、別れた彼との思い出の海辺を歩く。切なくて、けれども力強くて伸びやかな歌声と、映画のような情景が目に浮かぶ詞の世界に憧れ、一人で旅をすることが何だかカッコいいと思っていたのだ。

それから年月が経ち、50歳を迎える年のある日。
海外を旅するテレビ番組を観ていて、ふと「一人旅をしてみようか」と思い立った。頑張って働いてきた自分へのご褒美に、かねてから憧れていた海外への一人旅は悪くないと思った。
あちこち周るよりも、ただただのんびりしたかったので、場所はビーチリゾートに決めた。
そこで候補に挙がったのが、気のおけない女友達と行ったことがあるモルディブ。英語は得意ではないから行った事がある国なら安心感があるし、一島一リゾートだから安全面での心配はないし、一人でも大丈夫かも…と思い、前回のモルディブでお世話になったブリュクシートラベルに相談をした。

「お一人で行かれる方もいらっしゃいますよ!」との担当者の力強い言葉に、安心してプランを立てることができた。
予算と好みを伝えて見積もってもらったリゾートの中で、ミリヒはシングル利用でも良心的な金額を設定しているという。行ってみたいリゾートの一つでもあったので、迷わずミリヒに決めた。

そんな訳で、いま私はモルディブの空の下、朝焼けに染まる海を見ながらテラスで優雅にコーヒーを飲んでいる。念願の一人旅だ。

到着の疲れと時差ボケで少し眠くて、昨夜は早めにベッドに入ったので、自然に目が覚めた。
ミリヒで迎える初めての朝、カーテンを開けると、日の出には少しだけ早い薄紫色の空。テラスに出て、大きく伸びをしながら深く息を吸う。ほんのり潮を含んだ新鮮な空気が肺を満たし全身を駆け巡る。
あーーーーー気持ちがいい!

ネスプレッソでコーヒーを淹れ、普段の生活では見ることがない日の出を見ようと再びテラスへ戻ると、空は薄紫色からピンク色へと変わっていた。
デッキチェアに腰を下ろして、熱いコーヒーを一口啜る。雲間から昇る陽の光が徐々に海面を輝かせ、空をオレンジ色に染め上げる様を眺めていると、目まぐるしく過ぎる日常を忘れられる。「私、モルディブに来てるんだなぁ」と実感した。

しばらくテラスでヨガのポーズをしていたら、すっかり陽が昇り切っていた。海がキラキラと眩しい。今日は天気が良さそうだから、スノーケリング日和だ!
でも、その前にゴハン、ゴハン。昨日は早めに夕食を済ませたので、かなり、いや猛烈にお腹が空いている。
これは身体にエネルギーを注入せねば!と、軽く身支度をし、オーガニックの日焼け止めを塗って部屋を出た。

私が泊まっている水上ヴィラは、半円形の桟橋の東寄り。ミリヒの水上ヴィラは北側の半円形と西側の直線の2ヶ所にあるので、半円形側の希望を伝えてもらったら叶ったのだ。
部屋からDhonveliレストランまでは島の端から端への移動だけれど、ミリヒは小さな島なので、ゆっくり歩いても10分かからない。少しだけ、ビーチに寄り道してみよう。

モルディブの海はいつ見てもクリアだけれど、澄んだ空気のせいなのか、朝の透明度は格別に感じる。波打ち際には私がつけた足跡だけ。画になるよね。
もう少しビーチでゆっくりしても良かったが、豪快なお腹の音をきっかけにレストランに向かうことにした。途中すれ違うゲストやスタッフと「Good Morning!」と挨拶を交わし、8時少し前にDhonveliに到着。

Dhonveliは7時オープンと聞いていたが、人はまばらで席はほぼ選び放題なので、海が良く見えるアウトサイドのテラス席を選んだ。朝は遅めのゲストが多いのかなぁ。

Dhonveliは3食ともビュッフェスタイル。実際に目で見て好きなものを選べるので、英語の苦手な私には合っていると思う。食欲をそそる香りが空っぽの胃袋を刺激するが、落ち着け落ち着け。まずはビュッフェラインをぐるりと一周、食べたいものに目星をつける。最初の一皿にサラダと前菜、もう一皿にパンを載せて一旦テーブルに置いた後、クッキングステーションでオムレツを焼いてもらい、スイカジュースを片手に席に戻った。

クリアブルーの海を眺めながらの幸せな時間。スイカジュースをひと口、ふた口…朝の乾いた身体に水分が染み渡るのが嬉しい。フォークを持ち「いただきます」と小さく呟いてサラダを口に運んだのを手始めに、吸い込まれるように次々と胃袋に収まっていった。
普段は朝食をフルーツやヨーグルトで軽くサッと済ますことが多いけれど、旅行中はいつもしっかり食べている。それは、きっと時間にも気持ちにも余裕があるからだろう。特に今回はあちこち周らない滞在型の旅行なので、余計そうなのかもしれない。

モルディブ人(たぶん)のウエイターが空になったお皿を下げに来てくれたので、「シュークリヤー」とお礼をいうと、パァッと輝くような笑顔で「Maruhabaa!(どういたしまして)」と返してくれた。
海外旅行をする時は、『ありがとう』だけでも現地の言葉を使うように心がけている。簡単な挨拶でも、母国語で話されたらきっと嬉しいだろうな、と思うから。

2度目のお代わり・フルーツの盛り合わせを食べ終えて時間を確認すると、9時をとっくに過ぎていた。朝食に1時間以上かかったことになる。普段食べるのは早いほうだし、一人だから時間を持て余すかと思っていたが、意外だった。このステキな景色と雰囲気の中では、自然とゆっくりとした動きになるんだろうな。

よーし、腹ごなしにビーチ沿いを散歩しながら、部屋に戻ろう。

滞在先をミリヒに決めた理由の一つは、ビーチの美しさだ。小さな島を覆いつくす豊かな緑と真っ白なビーチとのコントラスト、浅瀬からドロップオフへと濃さが変化してゆく海の色、そしてネイビーブルーの水平線、この美しい光景が私の目の前に広がっている。眺めているだけで、幸せだ。
白砂に反射した光は、サングラス越しでも眩しい。雨季だから天気にはあまり期待していなかったし、リゾートに到着した昨日は少し曇り気味だったので、誰にも突っ込まれないのをいいことに、日頃の行いの良さだということにした。
部屋に戻ったら、スノーケリングしよう。

スマホで写真を撮りながら、ゆっくり時間をかけて水上ヴィラの桟橋まで戻ってきた。
部屋まではもうすぐだ。

つづく

関連記事

  1. 【モルディブStory】第2話・一人旅② ~極上ハウスリーフと、穏やかな午後~

  2. 【モルディブStory】第1話・夫婦二人旅③ ~ ドルフィンクルーズと最後の夕食 ~

  3. 【モルディブStory】第1話・夫婦二人旅① ~ 海中世界と至福の朝食 ~