【モルディブStory】第2話・一人旅③ ~楽しい一日の終わりに~


祐子・初めての海外ひとり旅

【登場人物】
★蒼井 祐子(50歳・看護師)
◎独身、一人暮らし
◎趣味:旅行、ヨガ、読書、ミュージカル観劇

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Anbaでのランチの後、一旦部屋に戻ると、時計は15時を少し過ぎたところ。
スパの予約は15:30で、「15分前にはお越しください」と言われている。
Anbaでは長い時間寛いでいたけれど、時間配分はバッチリ。ゆっくりスパに向かえば、ちょうど良い時間かもね。

レセプションに足を踏み入れると、スパ特有のアロマオイルの芳香に包まれた。
この雰囲気と良い香りに恍惚とする。ホント、ここにいるだけでも癒されるなぁ…。
問診票に記入し、メニューをオリエンタルマッサージ60分に決めた。タイ、バリニーズ、インディアンヘッドマッサージがブレンドされた施術みたい。いつも色々と入っていているモノを選んでしまうのは、優柔不断なのか、欲張りなのか。

トリートメントルームに案内され、着替えを終えた後、ベッドにうつ伏せになる。
さぁ、ここから極上のリラックスタイムが始まるのだ。

まずは大きなストロークで背中のマッサージ。セラピストの絶妙な力加減とアロマのうっとりする香りに、強張った筋肉が徐々にほぐれていくのがわかる。ヒーリングBGMの心地良さもあり、なんだか眠たくなってきた。
しばらくすると「マッサージの強さはどうですか?」と聞かれたので(たぶん)、ボーっとしながら「OK…」と答える。

ここミリヒの滞在で、かなりリラックスしているとはいえ、普段の疲れが溜まっていたのだろう。仰向けになり、最後のヘッドマッサージに入るあたりまではうっすらと覚えているが、私の記憶はそこまでだ。
目が覚めたのは、「終わりましたよ」と、セラピストから優しく肩に手を置かれた時。

60分という時間は、スパではあっという間だ。
せっかくの至福の時間、眠りに落ちてしまったのが勿体ない!と思ったが、それだけリラックスできた証拠だよね。
まだ夢見心地のまま着替えを済ませ、レセプションへ。

担当セラピストがハーブティーを運んできてくれたので、いかにマッサージが気持ち良かったかを、身振り手振りを交えた拙い英語で伝え、握手と共にチップを渡した。
日本ではチップが必要な機会はほとんどないから、チップのタイミングって難しい。さりげなく渡せたらカッコ良いのにと思う。

トリートメントは終わったけれど、まだスパの余韻に浸っていたかったので、リラクゼーションエリアで寛ぐことにした。
椅子に腰かけ、手足を思い切り伸ばす。溜まっていた疲れが取れ、スッキリして身体が軽くなっていた。天気も良し、眺めも良しで、正に極楽気分。

リラクゼーションエリアで寛いだ後は、ほのかに香るアロマを身にまといながら、ビーチを歩いて部屋に戻る。
ディナーの前に、まずはサンセットを見に行かなきゃね。リゾートワンピースに着替えて薄くお化粧をし、いそいそと出かける準備をした。
昨日は曇っていたので、今日はサンセットがキレイに見られるといいな。

サンセットが見られるベストスポット・Murakaは、島の南端から西に延びる桟橋の先にある水上レストランだ。
ディナー前の夕方はサンセットカクテルのメニューがあるので、飲み物だけの利用でも気軽に利用できる。

早めに来たつもりだったけど、既に何組かのゲストが寛いでいた。
人気があるのは、Murakaを丸く囲むアウトドアデッキの外側、海に一番近い席。それでも、デッキは2段になっていて段差があるので、後方の席からでも視界が遮られないよう配慮された造りになっている。

一段高い後方の席に座り、サンセットに向けてスタンバイした。
そしてドリンクメニューの中から、カクテルのマティーニをオーダー。逆三角形のショートグラス、水晶のようにキラキラとした透明な液体の中に、ピックに刺さったオリーブが入っている見た目が、私の”ザ・カクテル”というイメージだ。この夕暮れの雰囲気にピッタリだと思う一品。

マティーニとサービスのおつまみを楽しんでいると、徐々に日が落ちてきて、空の色がオレンジからピンク、紫に刻々と変化してきた。それに合わせて海の色も濃いブルーへと変化してゆく。
少し雲があるけれど、それもこの美しい風景の一部として役割を全うしている。しっかりと目に焼き付けよう。

何をする訳でもなく、ただ水平線を眺めているだけなのに、全く飽きることがない。
この幻想的な雰囲気をしばらく楽しんでいたくて、1杯のマティーニをゆっくりと時間をかけて味わった。

陽が完全に沈み、宵が辺りを包み始めた頃に、ようやく席を立った。
ディナーは、Murakaではなく、メインレストランのDhonveliで食べることにした。

Dhonveliへ向かう途中、バー・Anbaの横を通った。
ディナータイム真っ最中だからなのか、この時間のAnbaのゲストはまばらだった。きっと、食後にバーで過ごすゲストが多いんだろうな。
昼間の陽気さとは異なる、Anbaの夜の雰囲気。一歩一歩が砂に柔らかく沈むサンドカーペットが、足に優しく心地良い。

Dhonveliに到着すると、昨晩も見かけたスタッフが「Good Evening!」と笑顔で迎えてくれた。
今日のディナーは、シーフードナイトだ。Dhonveliのディナーは日替わりのテーマビュッフェなので、毎晩異なるメニューが並ぶのが嬉しい。

最初の一皿をとって席に戻ると、頼んでいたビールがタイミング良く運ばれてきた。
ふんわりとした泡に冷えたグラス。たぶん私が席に戻る時間を見計らってくれたのだろう。
忙しい時間帯にもかかわらず、ミリヒのスタッフは、こういったサービスをさりげなくしてくれるのだ。

「シュークリヤー(ありがとう)」「Maruhabaa(どういたしまして)」と、リゾートに着いてから何度も交わしたフレーズ。お礼の言葉は自然と出るようになった。
もう少しディベヒ語を使ってみたかったので、スマホで検索をしたら、あるフレーズが目に留まった。よし、次はこれを試してみよう。

お代わりを取りにいったり、グラスワインをオーダーしたり、すっかりディナータイムを満喫していたところ、(たぶん)モルディブ人のウェイターが「お食事はどうですか?」と声をかけてくれた。
グッドタイミング。調べたてのディベヒ語で「ワラミール!(とても美味しいです)」と伝えてみたところ、おおっ!と反応が返ってきた。

ウェイター「ディベヒ語分かるの?」
私「勉強したいんです!(笑)」
ウェイター「(笑)では、ディベヒ語を教えましょう」

…ということで、即席ディベヒ語講座が始まり、よく使う単語や簡単なフレーズを教えてもらった。
途中、通りがかりのウェイターが入れ替わり立ち替わり参加し、おかげで楽しいディナーとなった。

レストランを出る時、「Good night、See you~!」と挨拶したけれど、次回はディベヒ語での言い方を教えてもらおう。

思いがけず賑やかで楽しい時間を過ごしたせいか、部屋へ戻る足取りは軽かった。
晴れた夜空を見上げると、都会ではまず見られない一面の星空。一つ一つの輝きが大きく、星が降ってきそうに感じられる。

明日はジンベイザメ・トリップを予約してある。少し早起きして、朝食に行かなきゃ。
ジンベイザメを見て(見られますように!)、船上でランチを食べて、イルカも見て(見られますように!)、クルーズ気分を味わって、帰ってきたらまたサンセットを見に行って、ディナーでまたディベヒ語講座を開いてもらおう。

楽しい計画はまだ尽きない。
また明日も晴れますように…と、星空に向かって願いを唱えた。

おわり。

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