【モルディブStory】第1話・夫婦二人旅③ ~ ドルフィンクルーズと最後の夕食 ~


美和&俊介の夫婦旅 ・ハネムーン以来の2回目のモルディブ

【登場人物】
★夫: 海野 俊介(38歳・IT系会社員)
★妻: 海野 美和(31歳・事務会社員)
◎結婚3年目(結婚記念日:6月10日)
◎趣味:
・夫=ジョギング、大学時代にサーフィン
・妻=ヨガ、旅行(特にビーチリゾート)、インスタグラム好き

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バーでランチを食べた後は、Compass Pool Barのプールで泳いだり、椅子に座って海を眺めたり。。。
ミライドゥに滞在しているというだけでも夢のようなのに、メインプールまでも貸し切り状態の贅沢すぎる時間。プールにもう少しいたかったけど、この後にもイベントがあるので、携帯で時間をチェックした。
ー14:30、そろそろ部屋に戻らなきゃ。

西側へと傾き始めた太陽を真正面に浴びながら歩く足取りが軽いのは、次にも楽しみにしていることが待っているからかな。

木の温かさとピンクを基調としたファブリック、ガラス戸の先に見える広いサンデッキと青い海。初めて部屋を見た時はあまりの素敵さに感動しっぱなしだったが、今はここに戻ってくると、居心地が良すぎて我が家のようにホッとする。

 

この後に待っているイベントとは「サンセット・ドルフィンクルーズ」。これも特典に含まれていた。

前回のモルディブでは、念願のイルカや海ガメを見ることはできなかったが、ここミライドゥでは、すでにハウスリーフで海ガメに遭遇している。イルカも100%の確率で見られるわけではないけれど、もし今回見ることができたなら、前回叶えられなかった目標を達成できる! でも、、、そんなに上手くはいかないか。。

16:15にメインジェティ(桟橋)に集合なので、あと1時間。
船の上で夕日を眺めながらシャンパンも飲めるので、ちょっとお洒落していこうかな。シャワーを浴び、素敵なバスルームで少しお化粧をした。

 

髪を整えていると、何だか香ばしい香りが漂ってくる。
俊介が「コーヒー淹れたよ~」と、私の分のカップをテーブルに置いてくれた。

ミライドゥのヴィラは、広くて開放感があり、インテリアも素敵で、コーヒーマシーンやティーセットなども充実しているので、私にとって部屋で過ごすことも楽しみの一つになっていた。
今日は外で過ごす時間が多く、部屋でゆっくりできていないなぁ。。と少し残念に思っていたけれど、俊介がコーヒーを淹れてくれたことで、ドルフィンクルーズまでの部屋時間が彩りあるものに感じられ、何だか嬉しくなった。

準備が終わり出発までの間、サンデッキに出て、海を眺めながらコーヒーを味わうことにした。
やさしい海風が心地よい。。。

 

16時過ぎ、長く伸びた自分たちの影を見つめながら、集合場所へと向かった。

ミライドゥの桟橋は緩やかな曲線を描いている。桟橋の先端から島を振り返ると、真っ白な砂浜の上に緑濃い木々と茅葺屋根のヴィラ、水上に佇むBa’theliが目に入る。これが、ミライドゥに降り立った時、最初に目にした景色であり、この “秘密の隠れ家” でどんなリゾートライフが待っているんだろう、と胸を高鳴らせていた。

そして今日は4日目、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうんだなぁ。一日目がすでに懐かしく感じる。

 

桟橋にはすでに数名のゲストが来ており、スタッフたちも出発の準備を行っている。
バトラーが、「今日は5組の方がご参加されます」と教えてくれた。

出発時間が近づくにつれてゲストたちが集まり、時間通り16:30に白いクルーザーはドルフィンクルーズへと出発した。

 

船はゆっくりと桟橋を離れ、沖に出るとスピードを加速し、大海原を爽快に走り出した。
目の前に広がる空には、雲から太陽の光がこぼれだす神々しい景色。リゾートから眺めるサンセットも美しかったが、船からだと海に伸びる黄金の線がすぐ手に届きそうで、夕日がより間近に感じられる。

ゲストたちも皆、光輝く空と海に魅了され、カメラを向けていた。

 

と、その時、「Look over there. Dolphins !」というキャプテンの声が船に響き渡った。
夕景に夢中だったゲストたちも、一斉に太陽から海へと視線を落とす。

え!どこどこ!?

私も慌ててキャプテンが指さす方を見ると、イルカの背びれが次から次と海上に現れるのが目に入った。
すごいっっ!と私が叫んだのと同時に、俊介も、おおおっ!っと興奮気味に声を上げている。

 

真下を見ると、青く透き通る海の中にイルカたちの姿をはっきり捉えることができた。神秘的な青色とのコントラストがあまりにも美しく、吸い込まれそうになる。

イルカの群れはしばらく船と並走するように泳ぎ、時には、回転しながらジャンプする姿も見せてくれた。船に乗っている全員が興奮し、心を通わせているかのように、同じタイミングで歓声を上げた。

 

時間にすると15分くらいだったか、イルカたちの美しい舞を堪能することができた。

俊介と二人、「まさか本当に見られるなんて、それもあんな群れに遭遇できるなんて、今でも信じられないね」と、話に花が咲く。絶妙のタイミングでシャンパンとカナッペも運ばれてきて、赤く丸い夕日が水平線に沈もうとしている姿を眺めながら、しばらく余韻に浸っていた。

 

18:30 クルーザーは再び桟橋に戻ってきた。夕日は水平線に沈み、リゾート全体が暗闇に包まれようとしている。

船の形をしたBa’theliレストランでの夕食は19:30に予約してある。
少し遅いかなとも思ったが、ブリュクシーの担当者に、「ドルフィンクルーズをされるのであれば、19時ではなく19:30の方がゆっくりできますよ」とアドバイスをもらっていたので19:30にした。今から部屋に戻って、夕食用に服を着替えたりしていると・・・19時だと忙しい。うん、19:30にして正解だ。

 

今日は、ミライドゥで食べる最後の夕食。一番お気に入りのワンピースを着た。
暗闇の中に浮かび上がるba’theliの文字と船の形。桟橋を渡りレストランへ近づくにつれて、かすかに聞こえてくるゲストの話し声やカトラリーの重なり合う音。入り口に着くと、すぐにスタッフが笑顔で出迎えてくれた。今日は風が穏やかなので、屋外の席をお願いした。

ランプの灯りでテーブルがほんのり明るい。席に着くと、自然の流れのように食事とドリンクのメニューが手渡された。Ba’theliはモルディブ料理を提供する、ミライドゥのシグニチャーレストランだ。
前菜は、モルディブの伝統料理である、「Hot Mezze(3種の包み揚げ)」と「Garudhiya(伝統スープ)」を、メインは、私が魚を、俊介はラムを選んだ。

 

オーダーを終え、海を眺めていると、まるで航海をしながら食事をしている気分になる。ミライドゥに到着した日は、隣のラウンジでお酒を飲みながらサンセットを眺め、空と海が赤く染まる幻想的な雰囲気を味わったが、星空を眺めながら、Ba’theliに打ち付けるチャプンという波の音を聞いているのも、神秘的な感じがして心が落ち着く。

少し目を閉じて夜の空気を味わっていると、バトラーが「Good evening~.」と優しい声で話しかけてくれた。今日は楽しめましたか?という問いかけに、一日の出来事が頭の中を走馬灯のように駆け巡る。
朝スノで見た魚の群れ、心身共にとろけたスパ、昼間からの至福のビール&ピザ、独り占めしたメインプール、ドルフィンとサンセットに酔いしれたクルーズ、そして、Ba’theliでの夕食、それら全てを伝えたいという気持ちからか、英単語が次から次と口から溢れ出た。
そんな私たちの話に耳を傾けてくれるバトラーも、嬉しそうにうなずいてくれた。

そして、話が一段落した後、バトラーの口から予想もしていなかった嬉しい提案が飛び出してきた。
「明日のリゾート出発は18時頃となります。それまでお部屋をご利用いただけるのですが、水上ヴィラは満室の為、ビーチヴィラに移動していただきます、よろしいでしょうか・・・」と。

毎朝の散歩で日に日に興味が強くなっていたビーチヴィラ。その部屋で半日でも滞在できるなんて!
なんの迷いもなく、「イエス!」と答えた。
「それは良かったです。詳しい出発時間や滞在中に使用した精算書などは、部屋に入れておきます。夕食も楽しんで!」と話し終えると、バトラーは戻っていった。

バトラーとの会話が終わり、それを見計らったかのように、前菜が運ばれてくる。思わぬ提案と美味しそうな料理に心が弾む。こんなに幸せでいいのかな。。。

食事は、想像していたモルディブ料理とは異なり、素材の味を生かした繊細な味付けだった。メインやデザートも、程よい量で美しく盛り付けられ、できることなら、もう一度このレストランで夕食を食べたいと思う程、美味しかった。

Shoreline Grillでの夕食も絶品、Oceanレストランのビュッフェも種類が豊富、お部屋でのキャンドルライトディナーは美味しい上に雰囲気が良く、そしてBa’theliでは繊細な美味しさと雰囲気の良さで大満足。4日間全て異なる雰囲気で絶品の料理が楽しめ、モルディブでの食の質の高さには前回同様に驚かされっぱなしだ。

部屋への帰り道、水上ヴィラの桟橋で再び空を見上げた。今日の月は今にも消えてしまいそうな細い三日月。ちょうど人がニコっとした時の口に似ていることから、“Smile Moon” と呼んでいる人もいたな。。月の灯りがほとんどなく、町のイルミネーションも一切ないので、空に散りばめられた星が良く見える。

「本当に楽しかったね・・・」と言うと、「明日も楽しみは続いているよ」っと俊介がさりげなく言ってくれた。

部屋に入ると、いつものように薄暗い照明になっていて、ベッドはすぐに寝られるようベッドメイキングされていた。そしてその上に封筒が置かれており、明日の出発時間などが書かれたレターと精算書が入っていた。レターの内容はさっきバトラーが話してくれたことと同じ内容、精算書は俊介がチェックするとのことだったので、軽くシャワーを浴びることにした。

バスルームに入り、ふとバスタブに目を落とすと、花が浮かべられたバスデコレーション。
「そうだ、バスデコレーションも特典にあったんだった!」

せっかくなので、湯船に入り、今日一日の出来事をもう一度思い起こそう。

 

明日、水上ヴィラからビーチヴィラへ移動する時間は10時となっていた。
朝食を食べ終わってからでも時間はあるので、パッキングは明日にしよう。。。

明日目が覚めて、いつも通りOceanレストランで朝食を食べ、朝の散歩をし、ビーチヴィラへ移動、その後も18時まで部屋で過ごしたり海に入ったりできる、何だか最終日って感じがしないなぁ・・・そう思いながら眠りについた。

おわり。

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